本当の『検索エンジン』に『最適化』するとは

先日、Yahoo!が開発しているウェブサーチエンジン「Yahoo! Search Technology (YST)」アップデートが実施された。

YST update 実施しました
http://searchblog.yahoo.co.jp/2007/09/yst_update_5.html

日本語処理やコンテンツ解析等の機能が強化されたようだ。
私たちが何気なく使用している検索エンジンだが、内容の大小はあるものの日進月歩で進化をしいる。
さて、なぜ検索エンジンのバージョンアップは必要なのか?


それは、例えば私たちの話し言葉を取ってみても数年前と比べると変化してる。(あえて進化とは言わない)
つまり『日本語』だけではなく、それをベースにした『日本で通じる言葉』というものを考えると、『国語辞典』だけではなく『現代用語の基礎知識』などを加えないと現代人の会話や情報が解析できないように、いつまででも同じ論理、ひとつの考え方では無理が生じることがあったり、新しい技術でより検索の論理が人間の思考に近づけられる事が有るので、日々、研究開発を行っている。
『無料で使えるのに親切な話だ』と考えるのは平和な話で、無料なのは検索をする側のユーザーに料金を設定していないだけで、スポンサーやその他広告掲載等で収益を上げている、当然だ。
検索エンジンの収益モデルは、単純には以下のようになるだろう。
ユーザーが探したい情報が見つかり易い

ユーザーが増える

ユーザーに向けて宣伝広告を行いたい企業等のスポンサーが増える
これ以外にも色々有るが、とりあえず。
こうなると、増えたスポンサーを減らさず増やす必要が有る。
という事は、ユーザーを減らさず、増やす必要が有るわけだ。
方法は上記から考えると、より使い易い検索エンジンにバージョンアップする事だ。
そうなると、他にこだわりが無ければ、探している物は見つかりやすい方が良いので、ユーザーは更に増えて、宣伝広告の価値は上がり、スポンサーが増える。
さて、検索エンジンの理論が変更されて影響を受けるのはユーザーばかりではなく、ウェブサイト等を運営している側も多くの影響を受ける。
検索エンジンの理論に合わせるように自社のウェブサイトを最適化するのが、『検索エンジン最適化』つまり『SEO』と定義付けられている。
という事は、検索エンジンがバージョンアップして、理論や癖が変わってしまったら、ホームページにも手を加える必要が有るのか。
検索エンジンの理論や癖だけを考慮して、ユーザーに全く向いていないウェブサイトがあればそんな可能性もあるかもしれないが、検索エンジンのバージョンアップは全く違う理論に変わってしまうのではなく、おおよその場合ユーザーが条件に挙げた単語を、よりユーザーの思考を配慮した上で条件に合ったウェブサイトを関連性の高い順番でリストアップするように改良されている。
したがって、以前にも書いたように、検索エンジンやシステムの脆弱な部分や癖を逆手に取るのではなく、各ウェブサイトが本当に発信すべき情報を正確に丁寧にまとめられているのがやはり理想であり、そうすることで検索エンジンのバージョンアップは運営しているウェブサイトが更に最適にユーザーに検索され、閲覧されるようになる事を意味するようになる。
突き詰めると、『検索エンジン最適化』というのは、結局『検索エンジン』に『最適』になるようにする事ではなく、情報を『最適』な形で発信し、それを『検索エンジン』を通じてユーザーに評価してもらう事になる。
なんだかアナグラムだ、英語を日本語に訳される時にその本意まで含めて訳されない事が多い、 *1『Search Engine Optimization』もそうかも知れない。
今、行っているSEOは『検索エンジン』に”だけ”『最適化』されていないか、もう一度検証する必要が有るかもしれない。
*1::今、思い出せるのは『Shampoo』だ。本当は頭皮までを含めたマッサージ的な意味も含まれているようだが、日本人はこれを洗髪と訳してしまったので、この単語の意味は日本人とアメリカ人との間で微妙な差があるというのを聞いた事が有る。

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