最近パソコン市場は以前ほどの勢いが感じられない。
その中でもデスクトップはより活気が無くなっているのだが、ノートパソコン、中でもモバイルは活気が有るようである。
ノートパソコンを小脇に抱えて持つイメージからかBook(=本)を連想させるブランド名を冠する場合が多いようであるが、
現実はそう甘くなく本を小脇に抱えるのと比べるとその携帯性は格段の不便さを感じる事が多い。
(無理矢理広辞苑みたいなものを想像しないように)
そんな中ヨーロッパで大人気のモバイルパソコンが在る、台湾ダイアローグ社のFlyBookだ。
イタリアではモバイルパソコンといえばFlyBookと言われるほど売れているらしい、日本で言えばPanasonicのLet’s Noteという感じのようである。
私はヨーロッパでのヒット商品というと機能とデザインが別チャンネルでなく機能がデザインされているものという印象を持っているが、
このFlyBookもそういった印象を受ける。
そんなFlyBookが昨年秋に日本に上陸した。
上陸準備段階で既に日本法人のホームページが立ち上がり、販路の確保日本市場向け仕様の開発へ余念がない雰囲気を出していて、
ネット上では徐々に話題になりつつあったので一定のシェアを得るだろうと思っていた。
何しろ、モバイルというだけあってWirelessLANはもちろんだが、
WirelessWANも搭載している、モバイルな上にWANなのだからワイヤレスは当然と言えば当然なのだが。
とにかく、モバイルでユビキタスなわけだ『公衆無線LANの整備が遅いのであれば!』ぐらいの勢いである。
上陸してすぐにヨドバシカメラやソフマップで取り扱われるようになっていた、モバイルノートもいよいよ面白くなりそうな気配がした。
なにしろ今日までのモバイルノートとはデスクノート(大型のノート)を小さくしただけの物が多いからである。
モバイルノートは小型軽量なのは一つのポイントだと思うが、デスクノートとは違い机や更には腰をかける場所すらも無い場所での使用を考えるとそれだけではいまいちである。
例えば電話を例に考えてみよう、家等に設置する一般的な電話機(以下:電話機)とモバイルすなわち携帯電話(以下:携帯)この両者を比較した時に小型軽量だけの進化にとどまっているだろうか。
「子機」というものが間に存在する進化のマップを想像すると小型軽量だけの進化かもしれないがとりあえずそれは置いておいて、今使用している携帯が電話機を小型軽量化しただけ物だとしたら街中滑稽である。
小型軽量で液晶を2軸で回転させてタブレットのようになる、当然ペン入力は出来るが少々驚いたのは通常版のWindowsでそれが可能らしい。
更にはWirelessLAN、WirelessWANである、最近HPの閲覧等以外にもネットが必要になってきたので「ユビキタス」いわゆるどこにいてもネットに繋がっているというのは安心感がある。(私だけではないと思う)
後は、デザインだ。
鞄からさっと取り出したのがいかにもなデザインだと視線を送るのももったいない。
そこのあたりはヨーロッパで受け入れられているだけあって美しい機能美溢れるデザインだ(=主観)
ところが最近販売の間口が小さくなってきている。
知り合い等に勧めようと思い色々検索してみたのだが古い情報しか出て来ない。
オフィシャルページを見ても販売店はヨドバシカメラやソフマップの一部店舗等になっている。
何故だろう・・・。
私が考えた一つの答えは『機能美溢れるデザイン』という事である。
文章だけ見ると何の問題もなさそうだが、ここ日本で受け入れられている良いデザインとはデザインありきでそこに機能を詰め込んでいる。
確かに美しいのだがそれほど意図を感じない。
しかし、それが現実で機能から出てくる形を美しくデザインしている物には関心が薄いように思う。
それから、『台湾製』という商品に対する価値観である。
『ヨーロッパで大人気』という文章に興味が出ても『台湾のメーカー』という響きに少し熱が冷めてしまう。
少なからず日本人ならあるのではないだろうか、この感覚の原因は不明なのだが多分刷り込みだろう。
このままではモバイルというカテゴリに一石を投じる役割になりそうなブランドが日本から消えてしまう。
別に、何かをする訳でもなく、出来る事も無いのだが、ビジネスマンやカフェでPCを使用している人の効率を考えると非常に残念である。
国内の販売代理店は加賀電子のようだ、出来る限り力を入れてほしい商品だと思う。
PCを持ち運ぶ為に鞄を選ぶのではなく既存の鞄に入るPCが選べるようになるのを望んでやまない、
飛ぶ本(=FlyBook)まで行かなくてもせめてスマートな女性の小脇に似合うモバイルPCが普及してほしいものである。
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