素晴らしい『窓』

今月30日にWindows Vistaが発売される。
Windows XP発売以来6年ぶりのメジャーアップデートだそうだ、それだけXPは息が長く熟成されてきたという事だろう。
OSのアップデートは色々な面からコンピュータを使っている者にとっては回避できない問題である。
誰でも思う事だろうが『購入した時はもっと動作が速かったのに・・・』
確かにそうだろう、購入した時は受け皿となるPCが120%対応しているアプリケーションやその他技術しかなかったのだから。

 


その後新しいアプリケーションをインストールしながら使用していくのがだこの新しいアプリケーションはPCが発売されて以降に開発・発売されている物が多い。
いわゆるPCのキャパを超えてしまっているかもしれないのだ。
だから同系統のアプリケーションでも前よりも動作が重く感じられる事が多い、OSも同様だ。
例えばWindows98が入っていたPCにXPを入れるとスペックさえ合っていれば入るのだが98よりも動作は重くなるだろう。
これは仕方の無い事である。
しかし、このスペックというハードルが大きく上がってしまうと、その都度PC自体を買い替えなければならなくなってしまう。
たぶん、使用しかしていない人間と開発をしている人間ではそのレベルが違うのだからもう少し配慮していただければと思う。
先月マイクロソフトが『Vistaの企業導入率を1年半で50%にする』とアナウンスしていた。
XPは50%を越えるのは3年強かかったらしい、さらに約3年SP2等へマイナーアップデートをしながら熟成された物を相手にものすごい目標である。
この6年間XPを対象にリリースされたアプリケーションを早期にVistaに対応しろとサードパーティーにも遠回しに圧力をかけているように思う。
このVistaにはAeroという3Dグラフィックユーザーインターフェースが用意されている。多分林檎党に言わせれば『また真似か!?』となるだろう。
真似かどうかはさておき、このAeroが少しポイントだと思う、発売に向けて色々な所で大きくVistaがコマーシャルされているが、
やはり素人目には派手な物や珍しい物に興味が偏りがちである。me/2000からXPになった時もGUIの変化にその新しさを感じた人は少なくなかったと思う。
ようするに『Vistaにすると、あれになるのか』と思う人は多いと思う。しかし、話はそんなに簡単ではない。
必要なスペックがOSが求めるそれには少し高い気がするし、Home Basicという名前から『家庭利用向き』となるバージョンではこのAeroが使えない。
普通、ビジネス向きのバージョンの方が簡素なGUIで、家庭や趣味に使用する人向けの物が凝ったGUIの方が理想のように思う、これも主観だが。
しかも、このAeroが使えないHome Basicで推奨スペックが
【CPU::800MHz、メモリ::512MB以上、グラフィック::DirectX9対応・32MB以上のグラフィックメモリ】である。
まだまだビジネスでは利用頻度の多いスペック帯だと思う、その上のHome Premium,Business,Ultimateになると
【CPU::1GHz、メモリ::!GHz以上、グラフィック::Windows Aero対応かつ128MB以上のグラフィックメモリ】で有る。
現在、会社から与えられているPCはこのくらいの物が多いはずだ、企画書を作る程度PCを利用しているなら上のHome Basicが推奨されているスペックでも十分である。
しかし、このスペックが問題なのはOSを快適に動かす推奨環境という事だ、
この上でちょっとでもグラフィックをしようとしたら、現在のスペックではヘビーユーザーレベルになりそうだ。
ビジネスになればなるほどOSを動かす為にPCを利用するのではないのでこの辺の配慮をしていただきたい。
こういう状況で、『企業導入率を1年半で50%』の目標を掲げている、そんなに甘くないどころか難しい事だと思う。
嫌な予感がする所ではXPのサポート期間だ。
これを早期に打ち切る事でVistaへの移行を促す手も有る、しかし現状から考えると98SEの時のように延長せざるをえないとなりそうだ。
もし、強行的にサポートの打ち切りをすると様々な理由からVistaへの以降が出来ないユーザーからブーイングが起こるだろう、シェアの大きいOSだから仕方が無い
特にビジネスユーザーは自分の判断で新しいPCを導入できないだろうからこの状態になるのは必至だろう。
スペックを考えるとOSのみのアップデートは難しい、買い替えが対象になるだろう、たとえVista Capable PCを現在所有していてもVIsta移行を考えて購入している会社ばかりではない、単純に計算してみてXPが発売されて6年、企業導入率が50%を越えたのが3年、償却のタイミングを考えるとこの50%が全て移行するのが約2年後、この導入率がWindowsのみを対象にしているのであれば残りの50%が1年半のハードルを越えるキーになるが、この3年間でXPに移行しているかもしれない事を1か0で考えると半分は2000等を継続利用していて今回のVistaが更新のタイミングに合っているとしたら、この25%が1年半のハードルを越えるベースになると考えられる。
素人分析だが遠くはないだろう。
ともあれ、先に書いたようにOSのアップデートはPCを使用していると避けては通れない、しかし、PCとアプリケーションを仲介する機能に派手さは必要ないと思う。
Vistaを触る機会があったがXPと比べて確実に技術の進化はしていると思う、しかし、画面から受ける感じはあまり親近感がない
カラーリング等がカスタマイズできるのだとしたら問題ではないかもしれないが、デフォルトのそれはあまりに冷たさを感じる色使いだ。
XP以前のような柔らかい色使いとは全く別物になっている。新しさとXPとの差別化を具体化する為かもしれないが。
気分的にも技術的にも金銭面的にもソフトランディングが有り難いと思う。
『窓』だけ素晴らしくても住み心地のよい家にはならないのだから。

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