ピッチャーじゃなくてセンターがボールを投げてきた感じ

Googleから12月3日に日本語入力ソフト『Google日本語入力』のベータ版が公開され早速試していたところ、百度からも16日に同様の『Baidu Type』のベータ版が公開された。

両者とも検索サービスで収集できるユーザーの入力データーを利用する形なので、単純に考えればよりシェアの大きいGoogleの方がクオリティは高いだろう。


『Google日本語入力』の変換効率は、流石にATOK等と比べられると落ちるかもしれないが、普段Macで『ことえり』を使っている私には何の問題も無い程度普通に使える、変換候補の出るタイミングや使い方も『ことえり』のそれと同じ感じでスムーズに使えるので実用に耐えられる感じだと思う。

『Baidu Type』はというと、変換効率は頼り無い感じ、仕様を考えるとシェアの差なのだろうが、ひょっとすると『ことえり』の方が、良いのではないだろうか。
他にシェアの差だけで評価できない事で言うと、『Baidu Type』はインライン入力に対応していないと言う事だ。

MS- IMEやATOK等有名IMEは勿論、Google日本語入力もインライン入力対応である、その分Baidu Typeを使用するとビックリすると言うか、懐かしいというか、現代のOSでインライン入力では無いIMEの画面を見ることが無いように思うので新鮮味さえ覚える。

慣れていないので当然だが、入力時のギミックに戸惑ってしまう。

入力窓の使い方も変換候補の文節を変えるのも手動が多く方法も少し特殊だと思うし、当然横書きの入力窓なのだが、変換候補を横方向に並べるているので一度に長文を入力すると入力窓が激しく移動することもある。

言語バーも二つに分かれていて完全にタスクバーに格納できない。

双方ベータ版という事だが、同じ段階だと思うすると今のところはGoogle日本語入力に軍配を上げざるを得ないと思う。

 

ただ、百度がGoogleの動向に合わせての公開だとしたら、一定のインパクトを与えられたので、ある意味成功をしているのかもしれない。

野球で例えるとピッチャーじゃなくてセンターがボールを投げてきた感じ、ただ遠かったのでストライクゾーンには入らなかったですね、みたいな。

 

クオリティーよりもタイミングを取ったかどうかについては、正式版の時にどういう仕様になっているかでその答えも出てくるかもしれない。

さて、双方楽しみだが他社はどうなのだろう?

『検索時のユーザーの入力データ収集』と言う事が可能な会社を考えると、先日業務提携がようやく締結されたMicrosoftとYahooはどうなのだろう。

MS-IMEをBingユーザーの入力データで武装してクラウド化と言うのはできない話ではないはずだ。

『日本語』という言語においてユーザーデータの収集はGoogleよりもYahoo Japanに分があるように思う。

 

ひょっとすると水面下で動いていたり、公開のタイミングをうかがっているのかもしれない。

良い事ばかりではないとは思うが、現代人が使う言葉が収集されて、それがテキストの入力時に反映されるのだから、よりテキスト入力は自然で無駄な動作が少ないものになるかもしれない。

ただ、言葉の乱れから収集されたデータが乱れる恐れは有るので、それなりの監修は必要だろう。

ユーザーサイドの話で言うと『人の振り見て・・・』ではなくて、『IMEの変換候補を見て、我が言葉直せ』となるかもしれない。

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