タッチスクリーンの製品が増えている。
2007年にiPhoneが発売されたのを機にタッチスクリーンの携帯やスマートフォンが増えているし、最近だとWindows7もマルチタッチに対応しているという事で、新しく発売されるPCもタッチスクリーン搭載機種が増えているように思う。
そもそも、機械とコミュニケーションをとる場合には、入力装置と出力装置は不可欠で、パソコンで考えると入力装置は主にキーボードやマウスで、出力装置は主にディスプレイやスピーカーだ。
タッチスクリーンは出力装置に入力装置の機能を組み込む技術といえると思う。
入出力装置を統合する利点を考えると、一つは小型化を進める中で場所の制約から解放される事がある、全ての入出力装置を備えるとそれなりに場所は必要になるからだ。
タッチスクリーンに関して言うと主にマウスやタッチパッドの機能がスクリーンに統合してあるのでその分省ける。
後考えられる利点はマウス操作の利便性だろう。
動かしたい物や指したい物は画面上に有るのに、その作業動作はもっと手元の離れたところで行うのがマウスやタッチパッドである。
それ自体矢印キーと比べればとてつもなく自由度の高い装置だが、慣れない人にはその自由度がもどかしいと言うことがあるのかもしれない。
最近では聞かなくなったが、昔は
「マウスで画面の○○に・・・」
というと、マウス自体をディスプレイにくっつけて動かす人がいたという話が有った。
これは笑い話だが、それをマウスではなく指でそのまま操作するとなると、動かす物や指す物と動作を行う場所が同じになり、より直感的なのかもしれない。
これだけ考えると効率は良いようには思うが、話はそう上手くはいかない、ディスプレイが汚れる等の問題のほかに、腕が自然に使える距離に設置しないとうまく使えない。
話が逸れるが、タッチスクリーンでキーボードが無線というモデルもあるが・・・離れたいのか近づきたいのか・・・。
・・・キーボードが無線だからって離れたいわけではないのかな。
さて、このタッチスクリーンという機能だが、ただ追加されるだけだと、今まではキーボードとマウスだけを操作していたのが、単純に操作するものが増えるだけなので、便利かといわれると、微妙な気もする。
文字入力は基本的にキーボードというケースが多いので、省けるものはマウスやタッチパッドなのだが、キーボードとマウスやタッチパッドよりもキーボードとスクリーンの方が手を動かす範囲が広くなってしまう気がするので、現状よりも使いやすくはならない気もする。
比べる対象にはなりにくいが、Macの場合はトラックパッドでマルチタッチを実現しているので手の移動範囲は今までとさほど変わらず、キーボードのすぐ近くである。
ThinkPad等トラックポイントのある機種にしても、キーボードからなるべく動かないようにキーボード中央に設けてある。
多分、既存のハード構成やシステム、利用シーンにそのままタッチスクリーンを持ち込むのは難しいのかもしれない。
携帯電話などにしても同じようなもので、物理キーを備えている場合、存在しているかどうかは別としてストレート型ならまだましだが、スライド型や折りたたみ型だと、物理キーとスクリーンの間に段差やヒンジ等小さいけども指にとっては大きなハードルが有ってやっぱりなんとなく使いにくい。
タッチスクリーンをメインに考えると文字入力がスムーズかどうかは別として、文字入力までスクリーン上で出来てしまう、iPhoneのような形が理想により近い気がする。
大きさが一定以上のもので利用シーンを考えると、銀行のATMや施設のインフォメーション端末の様な不特定か特定多数の人が短時間に利用する様な端末がある。
しかし、じっくり長時間作業をするわけではなく、割と機能が限られている物が多いので、Windowsのインターフェースとはまったく違う。
こちらもパソコンの今までの作業をタッチスクリーンで行う事と比べるとよりベターな感じがする。
タッチスクリーンを否定するわけではなくて、CMや雑誌、ネットの新製品情報を見るたびに、まだまだ新しいデバイスで、利用シーンや適当なアプリは、これからなんだろうなと感じる。
慣れの問題も有るが、要は頭で考えたりした事を、より早く正確に画面上で再現出来る入力装置が課題とされているのだろう。
ベストは考えた事が何も使わず画面上に再現される事だと思うが、今のところそれは漫画やアニメの世界の話・・・将来は可能になるのだろうか。
ただ、思考をコントロール出来なければ、妄想も入力されてしまうかもしれないので、とんでもない事になりそうだ。
手と指をコントロールするよりも難しいかもしれない。
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