7月24日Microsoftが、ヨーロッパで発売するWindows7に、ブラウザ選択画面を設ける事を発表した。
これは、兼ねてよりECががWindowsにInternet Explorerをバンドルしている事に関して独占禁止法の疑いがあるとして異議を唱え、Microsoftに対応を求めていた事によるものだ。
一度はInternet Explorerをバンドルしないという対応も考えていたそうだが、ECはこの対応に不十分だとしていた。
Internet Explorerアンバンドルの発表に対してECの詳細なコメントは知らないが、考えれば大変な事である。
デフォルトの状態からInternet Explorerが無い事を考えると、要するにブラウザが全くないPCが目の前にある事になる。
この時代に全くブラウザがないPCを用意されたところで、とりあえずソリティアで遊んでみるぐらいしか無い。
「海岸までは連れてきましたので、大海原へ出る手段や道具は貴方が考えて揃えてください、無料の物も結構揃っているようですので、ご自由にどうぞ」
ってな感じだ、何かあるような感じは醸し出しつつもアドバイスはしない。
物理的な海岸なら『とりあえず身一つで泳いでみる』という選択肢もあるかもしれないが、ネットではそれもかなわないし、溺れなくて済むという事でもない。
2台目以降のPCなら保有しているPCでインストーラ等をダウンロードUSBメモリー等でコピーという事も考えられるが初PC等の場合は自分ではどうする事も出来ないかもしれない。
昔なら雑誌のCD-ROMにブラウザが付いていた事もあったが、最近ではそれすらも無くなってきている。
やっぱりアンバンドルは非現実的だと感じた。
それが、ここへ来てブラウザ選択画面の設置という方向に変わった、海岸で手段や道具を選択出来る案内所を設置してくれたという事だ、一歩前進だと思う。
一歩としたのは公開されているスクリーンキャプチャでブラウザ選択画面自体がInternet Explorerという事だ。
Microsoft Updateの事やファイルブラウザとの関係等を考えると仕方ないのかもしれないが、いずれはこういった事も問題視されるかもしれない。
素人目に考えるとMicrosoft UpdateはMacやLinuxのようにOS側の機能として提供し、ブラウザは各インストーラを用意しておく事で回避出来ると思う。
さて、こうなると独占禁止法の疑いがあるのはヨーロッパでだけではないので、他の地域でも話が持ち上がるかもしれない。
クラウド化が進む事が考えら得る現状で、OSが良きブラウザへの仲介機能的地位になるとしたら、ブラウザのシェア争いはOSのそれを遥かに超える意味を持ってくる。
そうなると現状OSでシェアの大きいWindows上で利用出来るブラウザのシェア争いは更に激化する事が予想出来る。
当然今まで見ぬ振りをしていたかもしれないInternet Explorerのバンドルは大きな問題にされるはずだ。
先日発表された、GoogleのOS参入という事に関しても、まだどういったものかは分からないが、仮にChromeと融合を実現する様なOSだとすると、PCベンダーの採用によっては抱き合わせ的な問題が出てくるかもしれない。
Windowsのライフサイクルを考えると5年先ぐらいまでは大きな動きは無いかもしれないが、これに関してもMicrosoftだけのルールのはずなので、他社が関係ないとすると対応を迫られるかもしれない。
既に水面下では激しい駆け引きが繰り広げられているかもしれない。
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