『SEO』を最適化?

最近、流行を通り越してスタンダードになった『SEO』だが、この、SEOに関してホームページ公開サイド、または制作サイドに解釈のずれを感じることが多い。
ホームページ制作会社の宣伝に『SEOを行うと検索ページで上位表示できます』的なコピーを見かけたり、ホームページの制作を依頼されるときに『SEOをすると検索ページで上位に表示されるようになるんですね?』と聞かれることがある。
これらの事は100%間違いでは無いと思うが、正解か不正解かと言われると私は『不正解』だと思う。
何故かと言うと、


そもそも『SEO』とはSearch Engine Optimizationの略『検索エンジン最適化』と訳される。
どこにも上位表示に関する言葉は入っていない。
ここで言う『上位表示』とは他の競合ページよりもより上へ表示する事だ。
『最適化』を辞書で引くと、『一番適している状態を選択する事』となる。
Optimizationの動詞形Optimizeに『最も効果的にする』『最大限に利用する』という意味があるので、それをそうだと言われるとそうかもしれないが。
さて何が言いたいかというと、『SEO』とは情報発信をしているホームページ運営者側がその営業内容を確実に伝えられるように第3者である検索サイトにも分かり易い内容にすることだろう。
例えば『イチゴのショートケーキ』を掲載しているページが『イチゴ狩り』や『バースデーケーキ』ではヒットするのに、『イチゴのケーキ』でヒットしない場合、明らかに運営者側の営業内容には沿っていない。
それにもし、どのような条件でも上位に表示されてしまうサイトまたはページがあるなら、その検索エンジンはネット利用者に有益な情報を提供していないか溢れる情報にそのロジックが追いついていないのかもしれない。
『イチゴのケーキ』でも『イチゴ狩り』でも『バースデーケーキ』でも上位に表示されるページがあるとおかしいのである。
ひょっとして、イチゴ農家がイチゴ狩りを運営しながら、そのイチゴを使ったケーキを販売するお店を運営していてそこでイチゴのショートケーキとバースデーケーキを扱っているかもしれないが、そのサイトの別々のページが各条件で
ヒットすることになるはずだし、各条件で競合するページが違うので同じ位置で更に上位にヒットすることは難しいだろう。
もっと言うと、『イチゴのショートケーキ』で検索した時に、上位に『喫茶店』が表示されたとしたらどうだろう。
どんなにそこのイチゴのショートケーキが評判でもやはり条件がこれだけだとケーキ店の後に紹介されるのが普通だろう。
検索条件を『イチゴのショートケーキ 喫茶店』にしていれば別だが。
さて、根本的に何故SEOが必要なのか、それは発信している情報つまりホームページをより高い確率でヒットさせてネット利用者に見てもらいたいからに他ならない。
では、どうするのがベストか。それはそれぞれの関係を整理するのがヒントになるかもしれない。
『ホームページ運営者側(以下 運営者)』はより多くの『ネット利用者(以下 利用者)』に見てもらえるように『検索サイト』に登録などの方法でリンクをしてもらう。
『検索サイト』はスポンサーの獲得などの為に、より多くの『利用者』を集め広告掲載価値を高めるために『利用者』の意思に沿ったホームページが検索でヒットするようにより有益なホームページを紹介しようとする。またはその為に効率の良い検索エンジンを開発する。
『利用者』は自分のよりほしい情報が集まる『検索サイト』を利用して色々なホームページをを閲覧する
簡単に整理すると以上である。
さて、これらを考えると全ての向きは『利用者』に向いている、当然と言われれば当然である。
しかし、よく耳にする『SEO』は『検索サイト』に向いていないだろうか
しかも、『検索エンジン』の癖や性質をその意思に沿わずに利用する方法まで研究されていることもある。
これは3者の関係を考えるとおかしなことである。
『検索サイト』が『利用者』に有益な情報を提供するために情報を整理して表示しているとしたら、自分のページの表示順位はその内容に見合ったものになっているのではないだろうか。(万人が健全な方法で順位を獲得しているとしたらである)
もし、その順位に不満があるとしたら、考えるべきは『検索サイト』へのアプローチではなく当該サイトのコンテンツであるはずだ。
まずは、『利用者』の需要を考えたコンテンツの充実、サイト作りが大切なはずである。
検索エンジンで上位に表示されているのに開いてみると『これだけか!?』と思うサイトもたまにある。(検索方法にも問題があるかもしれないが)
営業内容を100%だとしてそれを200%に見せるのが『SEO』ではなく、50%しか見せられていないものを100%に近づけるのが『SEO』だと思う。
例で挙げた『イチゴ農家』が『イチゴ狩り』の素晴らしさを伝えるホームページを公開して来客が増えたら、併設するケーキ店は帰りに立ち寄る客が増えることだろう。私は確実にイチゴ狩りの最中からケーキ店が気になっているはずだ。
私がケーキが好きとかそう言うことではなくてそういうものだろう。
『イチゴ狩り』でヒットしたページを見ていると、そこが運営しているケーキ店があれば全員でなくてもクリックしてしまう人は少なく無いはずだ。
考え方一つだ、営業内容を全て同じだけ見せるのが良い方法だとも限らない。
何のためにホームページを公開するのか、利用者はどういう情報を求めているのか、原点に立ち返ることが『SEO』の一番の近道かもしれない
是非、『SEO』を最適化してもらいたい、ネットが健全で利用者に有益な情報ばかりになるように
しかし、それでも検索エンジンに好かれない事もある、ではどうするのか、それはまた次に書くことにする。

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